Wonderful DaysⅠ



「通路のど真ん中で突っ立ってんじゃねぇよ。邪魔だろうが!」


「あ、すみません……」


ドリンクバーのコーラを片手で持って、文句を言う赤髪男の前から体をずらして通れるようにしたのに、一向に動こうとしない。

何で動かないのかと様子を窺えば、未だに私を睨んでいた。


「……何ですか?」


「迷惑なんだよ」


「え?」


「てめぇが家に帰れねぇからって、魁を巻き込むな。
手を煩わせるなって言っただろうが。クソ女!」


舌打ちをして、横を通り過ぎて行った赤髪男。


───そうだよね……


これ以上、魁さんに迷惑掛ける訳にはいかないもん。
やっぱり、此処に置いて行ってもらおう。
ファミレスだし朝までなら、何とか居られるよね?

止まっていた足を再び動かして席まで足早に向かうと、魁さんの双眸が私に向いた。

魁さんの向かいの席には赤髪男が座ったから、隣の人は……

近付く気配に気が付いたのか、その人が振り向いて私を視界に映す。


「やぁ、マリアちゃん。さっきぶりだね!」


にっこりと微笑んだのは、予想通りの葵さんだった。