───あの男……なんつー力で握り締めてたのよ!
この場にはいない相手に腹を立てていれば
「───酷ぇな…」
ぽつりと呟かれた言葉。
でも内出血している箇所は、見た目ほど痛くは無いから
「これくらい、大丈夫です!」
本心で言ったのに、どうも信用されていないらしい……
表情を変えないまま手を離してくれない。
「それよりも、魁さんは何で此処に?」
「…………」
何か答えてくれるだろうと思っていたのに、無言で差し出されたのは紙袋が一つ。
───ん? 紙袋……?
これを私にどうしろと?
どうしていいのかわからず、首を傾げれば
「これに着替えろ」
紙袋の向こうから掛かるお声。
どうやら、中身は洋服らしい……
「着替えですか?」
「その制服は目立つ」
今、私が身に纏っている制服を気にして態々、洋服を用意してくれたらしい魁さんからそれを受け取った。


