Wonderful DaysⅠ



何か勘違いをしている白石に声を掛けようとしたら


「白石、その子は魁の女じゃねぇ。一般人を巻き込むなよ」


イケメンさんが代弁してくれた。


「その手にはのらねぇぞ」


疑い深いのか、全く彼の話を信じようともしない白石。


「私、本当に違うんですけどっ!」


意を決して言ったのに


「へぇ?」


馬鹿にしたような返事をすると、私を確かめるように覗き込んでくる。


「……………………」


「……………………」


何で、そんな残念そうな顔をするんですかね?


どっちにしても、息苦しくなるほど締め上げられているこの状態は好ましくない。


「ふぅ……」


一先ず、呼吸を整えて。

白石の体勢が横にブレた瞬間を狙って、巻き込むように前転をすると、まさかの動きに腕の力が弱まった白石の腕からするりと抜けて体勢を立て直した。