この雰囲気は嫌い。
次に言われる事が、まるで手に取るようにわかるから……
「すみません…私、急いでいるので……」
開けかけの扉を押して、そのまま体を半分出したところで手首を掴まれた。
「待ちなさいってばっ!」
「───…っ……」
いきなりの激痛に、思わず声が漏れる。
そこは、さっき白皇の男に強く掴まれていたところで改めて明るい所で見れば紫色に変色していた。
───げっ!内出血してる……
アル兄さんがイギリスに帰ってて良かった。
こんなの見られたら、大騒ぎだよ……
掴まれたままの手首が痛くて顔を顰めたら
「何、その態度っ!」
何を勘違いしたのか、怒り出した女の子は手首を思いっ切り引いて、手を振り上げた。


