メキッという鈍い音と共に勢いよく吹っ飛んでいった巨体は、宙を舞って顔面から地面に吸い込まれていく。
落下した拍子に、こっちを向いて倒れたその人の顔は、血だらけで見るに耐えなかった。
そして、その異変に気が付いた集団は鬼のような形相でイケメンさんに向かって行く。
それにしても……
イケメンさんといい、カイさんといい、なんてケンカが強いのだろうか。
その二人の動きに目を奪われて、自分の今置かれている状況を全く気にしていなかった私。
「はーい、そこまで~!」
背後から聞こえてきた声にギョッとして、振り返ろうとしたところで何者かに羽交い絞めにされた。


