「マリア様っ!」
木田さんの声は聞こえたけど、私の足は止まらなかった。
此処を曲がれば、あの集団が見えてくる筈。
逸る気持ちを抑えて角を曲がれば、そこはまるで別世界のような光り輝く世界が広がっていた───
「・・・眩しい」
バイクのエンジンは切られていて静かだったけど、車のライトが眩しくて顔を顰める。
その中心を見ながら、前に進んで行けば
「今日、来れて良かった~♪」
少し前にいる2人の女の子の話し声が聞こえた。
「でも、此処からじゃ、見えないよ」
背伸びしても、見えないらしい・・・
此処からじゃ、遠すぎて話す事も出来ないじゃんか。


