「俺、あれしたい!」
普通こうゆうのって女の私が言うべきなんだろうけど…
祭りに興味のない私は、
あれがしたい、これ欲しい、あれ食べたい
と言うその事に対する欲がない。
それでも、ちゃんと裕大さんは私を連れて回ってくれてる。
祭りは特に楽しくないけど、
裕大さんの楽しそうな笑顔を見ると
なぜか、満足な幸せな気持ちになった。
裕大さんは子どもに戻ったように
射的や、金魚すくいしたり、
焼きそば食べたり、綿あめ食べたり、
光る耳を私に笑いながら強制的に着けたり
私がお腹空いたと言ったら、
なにがいい?って聞いてくれて、
でも、なかなか決まらなくて、
一通り店を一緒に回ってくれたりした。
本当に優しい人だなと私は思ったと同時に、
楽しそうにはしゃぐ裕大さんをみて
光る耳を身につけながら
今日一緒に回ってよかったと思った。
「本当に、たこ焼きでよかったの?」
私がようやく選んだたこ焼きを見ながら
裕大さんは言った。
このたこ焼きも裕大さんが買ってくれた。
『うん、なんか美味しそうだったから。』
私がそう言うと、裕大さんは嬉しそうに笑って、
「そっか、ならよかった!」
と、綿あめを頬張っていた。
私はその笑顔と
無邪気な裕大さんに
ドキドキが止まらなかった。
