金髪の2人

*涼*

どんな心配してんだよ

さっきからとなりでブツブツ言ってる。

好き同士。

と言っていたのが聞こえたから
多分、
好き同士のひとが乗るものだから、私なんかと乗っていいのかな
とかって考えてんだろ。

俺は気づいたんだよ。

俺はお前のこと好きなんだって、

イライラの原因も。
嫉妬の原因も。

全部全部、こいつが好きだから。

だから俺は金髪女と…ありさと、
観覧車に乗りたい

「ほら。行くぞ?」

*ありさ*

行くぞと言われて繋がれた手…

ドキドキが止まらない…

気づいたら観覧車のなか。

ドキドキしすぎて記憶がとんでた

「…」
「…」

ずっと外を見てる涼と
下を見たり上を見たり
右をみたり左をみたり
とにかくじっとしてられない私。

沈黙がつづき…
もう少しで1番高いところって時

「ありさ。」

低い声が狭い観覧車のなかに響く

「おれ…」

ガタンっ

「ただいま、観覧車の故障により、少しの間止まっております
心配はありませんので
しばらくお待ちください。」

アナウンスが入る。

今私たちがいるところ…

観覧車が1番高くにとまる場所

こんな…まんがみたいな事って…

「ありさ。」

涼の顔が目の前に…

ちゅ。

「涼?」

なんでキスなんか…?

「おれ…お前が」

ガタンっ

「ただいま故障が治りました
大変ご迷惑かけました。
職員を代表してお詫び申し上げます。」

再び動きだした観覧車。

「動いたね…
そういえばさっき、なんて?」

「いや。なんでもねぇ」

なんか不機嫌な様な
悲しいそうな様な
恥ずかしそうな様な

なにかんがえてんだろ?

男心がつかめない…