*ありさ*

はいた息が白く凍り
空気となって消えていく。

冬の屋上は想像以上に寒い
私は制服を摩り体を温める

「はっぶしゅ!!!!!」

わぁ。でっかいクシャミぃっ
屋上のどこがから聞こえた

ポッチャリしたオヤジみたいな
人かな?このクシャミは
って私は勝手に
クシャミをした主を想像していた

だが、
心地よい靴の音と共に現れた
クシャミ男。
それは想像していた男とは
全くもって違っていた

こいつモデルか!?
っていうぐらいスラッとした体
金髪や茶髪が混ざったサラサラの髪にゆるくパーマがかかっていた
程よく崩された制服。
薄い唇。切れ長の鋭い目。
高い鼻。
完璧といっていいほどの男だった

でもさっきのクシャミってこいつが?笑
想像するとすごい面白い

「ぷっ」

ヤバイ!!!! …笑い声が出てしまった
おわったーこんなこわそーなひと

案の定そいつは
「あんた、俺の事笑ってんの?」
低く冷たい声。

冬で寒いっつーのにそんな声出すなょ!!!!!余計寒いでしょーが
あ〜怖いよー

「黙ってるわけ?」
また低く冷たい声。

はっ‼喋るの忘れてた
心で喋べってると
現実で喋るの忘れちゃうんだょね

いけないいけない
返事しなきゃ!!!!!
「はい」

はい?ぇ?今私
『はい』って言った?
ヤバイ。大変だ。
『いいえ。あなたの事で笑ったわけでわありません。』
っていうつもりだったのにっ

「あ!!!
間、間違えました‼ははっ
今まで反対の意味の言葉を使うーみたいな遊びしてたので
癖で反対のこと言ってました!
いいえって言おうとしたんです
ははっ…」

必死に言い訳をしてから
クシャミ男をチラッとみると

「1人でそんな遊びしてたのか。寂しいやつ。」

と言って屋上を出て行った。

あ、私いま1人なんだ

あー‼1人で遊んでる寂しいやつって思われたー…
あいつのことなんかどーでもいいけど恥ずかしい…

でもよくよく考えてみると
あのクシャミ男
性格最低だなっ!!!!!
くそー。ムカついてきた

「このー‼クシャミ男ー怒」

フェンスを蹴って
でっかい声で言ってやった。

「あースッキリ♪
さてと、教室もどろーっと」

私は屋上を後にした

私は 水城 アリサ (みずき アリサ)
高校一年生。
16歳。身長は161ぐらい。
金髪にちかい髪色。
この学校で金髪のやつはそうそういない。クシャミ男と私を除いて。
私の見た目がこれだから
ありもしない噂流されてたり
もーうんざりなんだよね
だから学校にもきたくないけど
将来のことも考えて
ちゃんと来るようにしてる。
でもやっぱり嫌だから
こうやって授業ほったらかして
屋上にきてる。

教室に戻ると
みんなからは痛い目線…
高校に入ってから友だちがいない
と言うより
1人が好きだ。
私みたいなのと一緒にいたい
と思ってる
変わった奴らは結構いるけど
関わるのがめんどくさいから
話かけられる前に逃げるようにしてる。

はぁー…憂鬱だ。