それなりの長さの歌詞を書けば、課題をやったとみなされる。
適当に、それっぽいものを作って終わりにするという手段もある。


でも私はこの作業だけは妥協したくなかった。
冬に味わった感動を、自分のものとして、より深く味わいたかったから。
それに、自分の心の中の言葉を探ることを、ただ純粋にやりたいと思ったから。
納得できるものが書けるまで、何度でも書き直すつもりでいる。


しかし……


「やっぱり、ダメだ。」


私が作った歌詞は、どうにも胡散臭さが消えない。
借り物の言葉ばかりで、本当に表現したいことが見えてこない。
何が言いたいのか、何を伝えたいのか。
私の手は無意識に、いくつもの8の字を描いていた。