取引恋愛





クラスでの最後のHRが終わり、全員で写真撮影。
その後に学校の外でまた写真撮影。
そしてもちろん美紀とのツーショットもたくさん撮った。



美紀は看護の専門学校に進学することになっている。
将来は白衣の天使になるんだーって叫んでいた。



「妃奈、私達は離れていても友達…いや、親友だからね。」



「美紀……っ!!
ありがとう。
本当に色々ありがとうね。」



「何言ってんのよ。

…私の方こそありがとう。」




これからなかなか会えなくなる…それでも、ずっとずっと親友でいようね。




「それじゃぁそろそろ…言ってきたら?」



そっと体を離され、顔をあげた先には遊佐の姿があった。




「…ほら、どーんと言っちゃいなさい。」



「美紀…最後の最後まで、背中押してくれてありがとう。」



私はゆっくりと遊佐に近づいた。
そんな私を遊佐はじっと見つめてくる。
それだけで心臓の音がすごいことになってるのが分かる。




遊佐の前で足を止めた。




「…こうやって話すの久しぶりだね。」



「…そうだな。」



「なんかすごく緊張する。」



「俺もだ。」



その返答に思わず笑ってしまう。
遊佐が緊張なんて…ね。



「緊張してるようには見えないけど。」



「…あんな事言っちまった後に会って、緊張しねぇわけがねぇだろうが。」



照れくさそうにする遊佐。
その姿がすごく可愛く見える。

私は思い切って話を切り出した。