三学期になり、残りわずかの時間となった。
わずかと言ってもあと二ヶ月くらいある。
…それでも、登校数が減る三学期は私にとっては残りわずかだと感じる。
担任と進学先の話をしていたのが聞こえていたのか、クラスメイトが私が遠くへ行くということを知った。
「影橋さん…卒業したら遠くに行くって本当なの?」
「もしそうならもっと早く言ってくれよー。
全員で送迎会でもしようぜ!!」
「たまにはいいこと言うね!!
しよしよ!!!!」
クラスメイトの暖かさを感じ、ありがたくも感じた。
「みんな、ありがとう。」
もちろん私が遠くへ行くことは学校に広まった。
それでよかったと思う。
広まって…きっと遊佐の耳にも入ったと思うから。
直接言えるのが一番かもしれないけど、もうそんな関係でもない。
だからこれが一番最良の伝わり方なんだと思う。
…離れたら遊佐のことも忘れられるかな。