放課後、一緒に部活へ行った。
部内でも話題になっていて冷やかされた。
今の部活動としては、三年最後の舞台発表にむけ、最終調整に取り組んでいる。
最後の舞台…私情を挟むことなくみんなが納得できるものにしたい。
その一心で練習に励んでいた。
「今日も疲れたなー。」
「そだね。
舞台までもう少しだし、みんな気合入ってるよ。」
部活が終わり、今は一緒に帰っている。
普通に話しをしながらで、手を繋いでいる以外は本当に友達にしか感じられない雰囲気だ。
…遊佐の時は一つ一つの会話に対してドキドキしてたな。
話しながら歩いている最中、ふと遊佐と並んで歩いていた時のことを思い出して無意識に比べている事に気づいた。
「どうかしたか?」
「え、あ、なんでもないよ。」
……私、最低だ。
比べるなんてしちゃいけないのに…。
無意識のうちにするなんてもっと最低だ…。
やっぱり私の中から遊佐の存在は消えないのかな…。
そんな事を思いながら家に帰った。
家に着いてもう一度考えた。
遊佐の存在が私から現時点で消えていないのは当たり前のことなのかもしれない。
だって武久君と付き合い始めて昨日を含めてまだ2日なんだから…そんなすぐには消えない。
「…これから、だよね。」
そう呟いて眠りについた。