その事を伝えようとした時に武久君が喋りだした。
「…俺はさ、正直今すぐにでも付き合いたいって思ってる。
影橋がまだあいつのこと好きなのはちゃんとわかってる。
だから待とうって思った。
…でも俺が耐え切れないっていうかさ。
俺の事少しでも見てくれるんなら、今はそれでいい。
だから付き合ってくれないか…?」
「…私は遊佐が好き。
この気持ちのまま付き合えない。
武久君に申し訳ない。」
「俺はそれでもいい。
少しでも俺を見てくれるんなら…それで充分だ。
俺にチャンスをくれないか?」
こんな展開になるとは思ってもみなかった。
どうしたらいいんだろ…と悩んでいると美希が話に入ってきた。
「まぁさ、失恋したとこだし別にいいんじゃない?
本人もそれでいいって言ってるんだし。」
「でも私は遊佐が好きなんだよ?
いつこの想いが無くなるのかわからない。
ずっと思い続けるかもしれないんだよ?
それなのに私の事を好きって言ってくれてる武久君と付き合うなんて…。」
「その気持ちは分からなくもないよ。
とりあずさ、お試しって感じで付き合ってみたら?
ある程度期間を決めて、あいつへの気持ちが少しでも米澤君に向けれそうならちゃんと付き合えばいいんじゃない?」
「…武久君はそれでもいいの?」
「もちろん。
むしろ喜んで!!」
「それじゃぁ…とりあえずよろしくね。」
期間は2ヶ月という事になり、まずはお試しという形で付き合うことになった。
…遊佐への気持ちが武久君に変わったら、私きっと幸せなんだろうな。
そんなこと思っていても気持ちは正直変わらない。
でも武久君を意識することはできる。
最低なことしてるのかもしれないけど、今私にできることをしよう…。
その後話がまとまり、私と武久君が付き合うことになってからも変わらず3人で遊んだ。