遊佐と喋らなくなって約2週間が経過した。
私と遊佐が別れたという事が広まり、遊佐の周りには女の子がたくさんいる。
見たくないのに嫌でも目に入ってくる光景に私は耐えきれない状態だ。
「あいつまじなんなの。
顔が良くても最低じゃん。」
「美希……。
違うよ、遊佐は…本当はすごい優しい人なんだよ。」
「だって用無しになったらぽいってするような奴でしょ?
女に囲まれたいからかしらないけど、妃奈のこと振っといてチヤホヤされてさ。
あー、一発殴ってやりたい。」
「…ありがと。
私には美希がいるから大丈夫!!
それに元々そういう約束だったし、付き合ってたわけじゃないし、こうなる事はわかってたよ。
思ってたより早かっただけで心の準備は出来てなかったけど…。」
「…まだ好きなんでしょ?」
「大好き。
ずっとずっと好きだったんだから、すぐに嫌いになんてなれないよ。」
「伝えないの?
もうここまできたら好きって言っちゃったらいいのに。」
「…私は強くないから。
このままこそっと想い続けれたらそれでいいと思ってる。
それに好きにならないことが条件だったんだよ?
今更言えないよ。」
「…そっか。
よし!!今日部活は!?」
「え、な、ないけど…」
「ぱーっと遊ぶぞ!!
こんな時は何も考えずに遊ぶのが一番!!
カラオケとかゲーセンとか行こ!!」
「ありがと。
行こ行こ!!」
優しい友人がいて本当によかった。
何も考えずにいたかったから…。
美希の存在に改めて感謝した。
授業が全部終わり、遊びに行こうと廊下を歩いていると武久君が前から歩いてきた。
「お、今からどっか行くのか?」
「まだ決まってないけどカラオケとかゲーセンとか行くつもり。」
「あ、なんだったら米澤君もくる?
私と妃奈の二人だったし、部活無いんなら遊ぼうよ。」
…あ、そう言えば武久君に告白されたこと美希に言ってなかった。
返事保留状態なのに気まずい…。
「まじ?
んじゃ入れてもらおっかな。
教室にあるカバンとってくるから靴箱んとこで待ってて。」
武久君は急いでカバンを取りに行った。
あー…どうしよ、本当にどうしよ。
そんなこんなで三人で遊びに行くことになった。


