取引恋愛




結局会話がないまま迷路が終わり、少し気まずい状態である。
…これ、喧嘩してるって思われるよね。
女よけとしているのに喧嘩してるなんて思われたら、チャンスって取られるかもしてない…。



「…遊佐、私何か悪いことした?
機嫌よくないみたいだけど…」




「…いや、別にお前は悪くねぇよ。
次どこ行く?」



「んー…まぁその辺適当にうろうろする?」



「あぁ。」



…私は悪くないみたいだ。
だったら何が原因だったんだろう。
でもさっきみたいな雰囲気にはならなく、普通に喋るようになった。



何気ないことを喋り、文化祭を楽しんでいるとあっという間に時間は経過した。




一日目の文化祭が終わりだという放送が流れて各クラス、明日の準備が整い次第解散という事になった。



「…それじゃぁ今日はありがとう。
自分のクラスに戻るね。」



そっと繋いでいた手を離そうとすると、遊佐がぎゅっと手を握ってきた。



「え、あの…遊佐……?
どうかしたの…?」



「…いや、何でもない。
帰り門の所で集合な。」



「わかった。
また後でね。」



今度こそ手を離し、クラスに戻った。