取引恋愛




それから下級生の展示を見に行こう、という話になった。
モザイクアートや風船アート等の色々な展示があった。


いろいろ見ていると迷路を出し物にしているクラスを見つけた。



「迷路だって。
遊佐、せっかくだし入ろうよ。」



「まぁまだ文化祭終わるまで時間あるしな。
入るか。」



そして入口に向かおうとした時、出口から男子生徒の集団が出てきた。
その中に武久君がいたので声をかけた。



「武久君!
迷路楽しかったー?」



「さっきぶりだな!
楽しかったぜー。
しかも最後参加賞として飴貰ったし。」



そう言って得意気に貰った飴を見せてきた。



「飴まで用意してるとかすごいね。
明日、子供来たら喜びそう!」



「確かにな。
んじゃまた明日頑張ろうな!!」



「うん、頑張ろうね!!」



武久君との話が終わり、遊佐を見ると少し機嫌が悪くなっていた。

…ほったらかして武久君と話をしていたからかな。
まぁ女よけとして使ってる彼女が他の男子生徒と話して変に周りに誤解されたら困るし、仕方ないか。

少し気まずいまま迷路に入った。
その時は手を繋いでなかったので、思いきって自分から手を握った。
すると軽くではあるけど握り返してくれた。


…幸せだな、と思いながら歩いていた。



迷路は机やダンボールで上手いこと道が作られ、先の様子がわからないように壁が高くなっていた。

…これ作るの苦労しただろうな。