約束通り、遊佐が待っていてくれてた。
しかし遊佐の表情は眉間に軽くシワを寄せて少し期限が悪そうだった。
……もしかして待たせて怒らせたのかな。
「ごめん!!
遅くなっちゃった…。」
「ん?
あぁ…そんな待ってねぇよ。
もう大丈夫なのか?」
「明日の用意もざっとしてきたし、後は今しなくても大丈夫だから文化祭まわろ!!」
「そうか。
よし、とりあえず何か食うか?」
「うん!!」
遊佐がさり気なく手を繋いできた事に、にやけてしまいそうになる。
やっぱり…私はこの関係のままでいい。
いや、この関係のままがいい。
この時間を無くしたくない…。
私は実華の様に強くはなれない。
進展もなにもしなくていいから、このままでいさせて欲しい。
そんなことを思いながら遊佐と文化祭をまわっていた。


