デート当日
約束の10分前に集合場所であるショッピングモールについた。
ぱっとあたりを見渡しても遊佐の姿がなく、まだ来ていなかった。
…よかった。
もし待たせていたらどうしようかと思った。
5分ほど経過してから遊佐が来た。
「わりぃ。
待たせたか?」
「全然!
私もさっき来たところだし。
それじゃぁ早速行きますか!!」
手をつないだりせず横並びでモールの中へ入った。
中には家族連れやカップル、友人同士など様々な人がいる。
周りからはちゃんとカップルと思われていますように、と願いながら遊佐の隣を歩く。
さり気なく私の歩行に合わせてくれるところにキュンとしてしまう…。
顔には出さないように気をつけながら店を回った。
「あ、ここの店なんて遊佐にいいんじゃない!?
遊佐っぽい!!」
「俺っぽいってなんだよ。
まぁこの店好きだけどな。
…入ってもいいか?」
「気になる店には遠慮せず入ってね。
私ちゃんと着いていくし!!
その代わり私の時も着いてきてね!!」
「あぁ。」
店の中に入ると遊佐が色々服を見回った。
数分後、手には二つの服があった。
「どっちにするか…
こっちもいいし、こっちも捨て難いな…」
真剣に悩んでる姿もかっこいいと思いながら見ていた。
すると急に話しかけられた。
「なぁ、こっちとこっちどれがいいと思う?」
見せられたのはモノクロのシンプルなデザインになってるTシャツと灰色のロングTシャツだった。


