あの昼休憩から私達の会話が増えていった。
もちろんそれはお互いを知る、という目的の中での会話だけどね。
でもそれは私にとっては輝いた時間だった。
「…お前さ、普段どんな格好してんだ?
決めてるブランドとかあんのか?」
「んー、特にブランドとかにはこだわりはないよ。
自分がいいなーって思ったやつを値段見て買ってる!
ワンピースとか多いかも。
楽だし可愛いし。
遊佐は?」
「あー、俺も特にねぇな。
服も適当だし。
遊びに行った時に派手な感じの方が似合うって言われるから、派手目なやつが多いな。
赤とか黄とか…あ、青もあるか。
まぁ結構カラフルな感じ。」
「へー、周りからそう言われるんだ。
でも遊佐って黒系が好きでしょ?」
「…は?」
「え、だってつけてるアクセも結構クール系というか何と言うか…。
チャラチャラした感じの見たことないし、持ってなさそうだし。」
女子にモテモテの遊佐はもちろんオシャレだ。
学校でもアクセサリー類は付けてきて、制服は着崩している。
首元できらっと光るネックレスも黒、ブレスレットは主張しすぎないシンプルな物、指輪だって一つしかつけていない。
要するに、とてもシンプルなアクセサリーしか身につけていない。
「それに遊佐のまとってる雰囲気からして黒系のシックな感じのやつの方が似合うと思うから……ってごめん!
分かったような口でべらべら言っちゃって……。」
必死になりすぎて自分の観察眼で得た情報をべらべらと言ってしまった…。
気持ち悪いって思われたらどうしよう…
と、一人であわあわしていた。