それから変わらない毎日をすごした。
朝は教室まで送ってもらい
昼は空き教室でお弁当を食べ
放課後は毎日ではないがこそっと公園へ行く。

…すごい充実した日々だな。



そんな生活になって2週間くらい経過した、ある日のお昼休み。
いつも迎えに来てくれるのにお昼休みになって5分たっても来る気配がない。

…どうしたんだろ、と思いお弁当を持って隣にある遊佐のクラスへ顔を出した。



「あ、妃奈ちゃんじゃん!
遊佐の事迎に来た感じ?」



「そうです。
…あなたは誰ですか?」


「俺は柿峰賢二(かきみねけんじ)。
遊佐とは友達ってとこ。」


…知っていながらも名前を聞いた。
彼は遊佐が高校に入ってからずっと一緒にいる。
遊佐とは本当に仲のいいお友達だ。
…初対面だし知ってたら気持ち悪いとか思われる可能性は否定できないと思い、あえて知らないふりをした。


…こうやって遊佐の友人と話しをするのは初めてだな。




「それにしても噂通り可愛いってか綺麗だねー。
こんな子と付き合えるなんて羨ましいなー。

あ、あいつのこと迎えに来たんだっけ。
今寝てんだよなー…起こしてやってくんない?」



「寝てるんですか?
…まぁでもご飯食べないとだし、起こすしかないか。」



せっかく寝てるところ申し訳ないな、と思いながらも体を揺すった。



「遊佐、もうお昼だよ。
起きてご飯食べよ?」


そう言っても反応はない。