取引恋愛




お昼休みになり…
いつもどおり美希と教室で食べようとした時、いきなり遊佐が教室に入ってきた。
何事かと思っていたら私の座っている近くまで来た。



「飯、一緒に食おうと思ってきたんだけど。」



「あ…そう言えばそうだったよね。
んー…前からご飯は美希と食べてるんだよね。
よかったら3人で食べる?」



そう提案すると美希が若干焦っていた。



「私のことなら大丈夫だから!
他の子と食べるし、二人で食べてきなよ!!」



「悪いな。
んじゃ飯食いに行くぞ。」



「え、あ、うん。
美希ごめんね?
ありがとう。」



そして二人で並んで教室をでて、契約をした空き教室へいった。



一緒に食べるといっても、会話なんてない。
見せかけのカップルなんだから必要以上に関わる必要はないし、仕方ないか。

そんなことを考えているとふと、遊佐の食事に目がいった。
焼きそばぱんやサンドイッチなど、たくさんのパンがあった。



「ねぇ…いつもコンビニとかで売ってるパンが昼ごはんなの?」



「あ?
親が弁当作んのめんどいから昼は基本買ったやつだ。
弁当買うときもある。」



「食堂には行かないの?」



「女子がうざいから行かねぇな。」



…確かに人気者だし大変そう。
でもこれだと腹持ち悪いし、成長期なのに足りなさそう。


「これから昼、お弁当作ってこようか?
そっちの方が彼女っぽいし、いちいち買うよりいいと思うけど…。」



そう、あくまで″彼女っぽい″。
私達は契約しているだけなのだから…。
わかっているけど胸が少し痛い。



「…まぁ確かにな。
んじゃ明日から昼飯よろしく。」



「うん!!
嫌いなものとかはない?」



「特に。
基本何でも食えるから。」



明日からの私の日課には遊佐のお弁当作りという項目が加わった。