始まりは突然だった。








二学期が始まって数日たったある日…
授業が終わり自分のクラスである3年1組の教室から出て、部活へ向かっていたはずだった。
そんな私、影橋妃奈(かげはしひな)は今現在空き教室にいる。

廊下を歩いているときに声をかけられ、今に至る。
その声をかけてきた相手というのが…




「おい、聞いてんのか?」




学校一の人気者である同じ学年の楠木遊佐(くすのきゆさ)である。
ピアスを右に3つ、左に2つじゃらじゃらとつけている不良君だ。
顔も頭も運動神経も良い完璧な男、ということで女子は狙っている人が多い。

そして私も彼のことを密かに想っている。
誰にも言ったことはないが、言ったところでどうにもならないと思いあえて言わない。


そんな彼が目の前にいる…ということで、冷静を装いながらも頭はまわっていない状態である。



「あっ…ごめんなさい。」



「まぁいい。
急に悪かったな、こんなとこ連れてきて。」



「大丈夫です。
多少遅れても部活は大丈夫なので。
それで…私に何か?」



「お前、男子に結構人気あるんだよな?」


「えっと…告白はされますね。」


これでも一応男子にはモテていると自覚している。
正直顔も頭も悪くはないほう…だと思ってる。
あ、でも決してナルシルトではないからね。