「ん…。」


ー目を覚ますと、外の景色は夜の物へと変わっていました。


そして最初に目に入ったのは、


ー王宮全体に広がる、大きな炎でした。



…そして炎の横には、黒い龍を従えたタートスの姿。



その目は既に光を失い、ただ冷え切った瞳で炎を見つめていました。



ーますます燃え広がってゆく王宮の炎。

逃げ惑う人々の姿。


…不思議な事に、そこには音は存在しませんでした。


ー奇妙な静寂の中、全ての動きがスローモーションになります。



そして私のところにも炎の手が広がってきた時ー



私の意識は再び、途切れました…。