食器洗いしながら、るんるんな雪をチラチラ見る。
そんなあたしに気付いたか
「ん?あーわかった!」
わかった?何が?
「苺食べたいんでしょ?はい、あーん」
「え?」
苺を持って「あーん」とか言う雪に
戸惑いを隠せない。
「早く!!あーん」
「あーん……ん!甘いっ」
「でしよ?」
「うん!うん!」
笑顔でまたケーキ作りに戻る雪。
そしてカップケーキに取り掛かり始める。
その間にあたしは食器洗いが終わった。
「疲れちゃったでしょ?ソファーで休んでいいよ」
「じゃーお言葉に甘えて」
ソファーで休んでたら、寝てしまった。
こんなに優しい雪は…笑顔の雪は…
起きた時にはもういなかった。

