「誰かを好きになったことある?」 と唐突に菜奈さんは私の目を真っ直ぐ見て聞く。 なぜか答えられない。 簡単な質問なのに、答えられない。 「爽翔のこと好きじゃなかったんでしょ?」 「わかんないです」 「なにそれ」 菜奈さんは優しく微笑んで席を立ち上がる。 「答えが出たら連絡して」 「え、あの」 「そんなに悩まないでね」 と菜奈さんに頭をポンポンされ、言いたかったことを言えずに菜奈さんは帰っていった。 「連絡先…知らないよ…」