「あたしもなんやかんや、悠稀のことは嫌いじゃない。」
ムカつくけど、嫌いじゃない。
「好きなんだろ」
笑顔で言う悠稀。
好き、スキ、す、すき、かもしれない
「何黙ってんだよ」
「す、」
「す?」
「すーー」
「早く言え」
イライラし始めた悠稀…
やっぱり好きなんて言えない。
って何考えてんだ自分!
「スキー行きたいね!」
「は?」
「忘れてください。」
怒られると思って
怖くて目を閉じる。
「冬…一緒に行こうな」
こんな優しい悠稀を見たことない。
びっくりして目をパチパチさせる。
「そんなに俺を見てねーで夜景見ろよ。ってもう降りるけど…」
「え、早い!もう一回乗ろう!」
「またいつかな」
そのいつかが本当に来て欲しい。
そう願った。
観覧車を降りると
爽翔とハルちゃんがいた。
現実に戻った。
そんな気がした。

