「じゃーそれ見よっか♪俺が皆のチケット代奢るよ」
さらっとそう言う爽翔の腕を掴む
「申し訳ないよ。もう奢ってもらったのに。」
自分の鞄から急いで財布を取り出す。
「いや、メイは俺の彼女でしよ?だから気にすることないよ」
「で、でも…」
「デートでやりたいこと。1.手を繋ぐ2.腕をくむ」
あれ?この内容は…もしかして…
「3.一緒に甘いパフェ食べる4.観覧車に乗って1番上でキ」
「あーーーーーーーーー!」
悠稀が持っていた本を取り上げる。
「うるせー」
耳を塞ぐ悠稀。
「なんで勝手に読むの!!」
「落ちてたモノ拾って読んだだけだし。まずそんな気持ち悪いこと書くお前が悪いだろ?
観覧車の1番上でキスとか…あー、わかった。観覧車乗って爽翔とキスしたかっただけだろ。きもっ」
なんで…なんでこんなの言われなきゃ
だめなの?
「おい、悠稀いい加減にしろ。謝れよ」
「ハルくん言い過ぎだよ…」
「あたしが悪かったの。気持ち悪いことをメモ帳に書くから…。ごめん。あたし帰る」
涙を堪えてその場を離れようとしたら
爽翔に止められた。
「一緒に帰る」
「ごめん。1人になりたいから」
本当最悪。
初めてのデートで何してんの自分。
我慢してた涙が落ちる。
いつからこんな泣き虫になったんだろう

