うちが変に積極的に動いたからかな
幸せはねだりすぎるとよくないねやはり
そんな事を思いながら
ドリンクを交換して、ベンチに座った。
会場から、大好きな曲の音色が漏れて
私の耳に届いた。
これだけで十分だよ...
幸せにひたってそっと瞼を閉じたのも
束の間。
「あ、あの!すみません!」
聞き覚えのある声に起こされた。
それは.....
さっきの男。
ここは会場と違って
普通の照明なので男がよく見えた。
ヘアアイロンのせいか毛先だけが
少し茶色い黒髪は外ハネに
しっかりセットされていて
黒いライダースジャケットに
中には小洒落た赤いTシャツ。
首には黒いチョーカーを着けている。
大きめのマスクをしているせいで
鼻と口は見えないけど、
目はクリっとしていて可愛らしい感じ。
チワワみたいな。
目だけ見ると俗にいう、
イケメンというやつだった
この顔面クオリティでスッピンかよ...
それに正直、
おどおどするようには見えない風貌。