鉄の鎖が巻きつく大きな扉


光を隔てて聳え立つ



日向と影


光と闇


どちらを取っても


私は後者に入るだろう



光の瞬きさえも失った世界


小刻みにしか息ができない


息苦しくて頬を走る泪


闇に落ち


影なき影に溶ける



無情を装う扉の向こう


佳人の声が聞こえる


明るくて華やか


美しくて無常


罪人を奈落に落とす笑い声


耳を塞いでも反響する



私はこの恒久の暗闇に生きる


影に影を重ね


闇の奥を探る