8月6日


晴れ








─某アパートにて─








『ちーちゃんっ』


『わっ、ちょ、ちか…ッ』


『んはっ、ちーちゃんのドアップ頂きー!』


『急に撮らないでよ。本当に吃驚したんだから!』


『ふははっ。焦ってるちーちゃんかぁわいっ』


『可愛くないッ、てか焦るでしょ。普通』


『ごめんごめん。あまりにもちーちゃんがテレビに集中してるからさ』


『だからって吃驚させないでよ。心臓に悪いから』


『だってー、ちーちゃんが悪いんだよ?』


『何で?』


『今テレビに映ってるの、今話題のイケメン俳優さんっしょ?ちーちゃんもああいうのがやっぱりタイプなのかなーとか色々考えちゃうじゃん』


『違うから。この俳優さんが主演で出てる映画が見たいなって思って見てたの』


『本当にー?嘘だったら嫉妬しちゃうよ?』


『本当に。ていうか既に嫉妬紛いなことしてるじゃん』


『こーいうのはまだ嫉妬って云わないんですー』


『はいはい』


『ちーちゃんが冷たい…』


『いつもこんな感じでしょ?』


『うぐっ……確かに。まあ、可愛いから何でも許せるけどな!』


『胸張って云うことじゃないよ。其れ』


『何とでも云いなさい。ちーちゃんを好きな気持ちは誰にも負けるつもりないから』


『はいはい。分かったから』


『……ちーちゃん、好きだよ?』


『うん』


『ちーちゃんは?』


『えー。云わなきゃ駄目なの?』


『うん!云って云って!』


『……好き、だよ?』


『あーもー、ほんと大好き!』