ふらりと路地裏の方へ入る。
転がり込むように壁へもたれ掛かった。
そして、これから何をすべきかを整頓する。
(先ず、本城へ向かうべきだ。だが、この格好では無礼であろう。)
ならば、早急に服を見繕うべきだ。
幸い、所持金を奪われたりはしていない。
(運が良いと言えばそれまでだが。)
ことが上手く運びすぎてはないか?
疑心を抱きながら、向こう側の道を見る。
(どういうつもりかは知らないが、なにものであっても邪魔者は排除するだけだ。)
漆黒の瞳が真っ直ぐに道を見据える。
(本城にて、八倉邸襲撃について報告する。そして――)
「けほっ」と咳き込む。
(……報告までが精一杯かもしれないな。)
報告さえも出来るかどうかわからない。
足を踏み出す度に呼吸が浅くなる。
身体が動かなくなる。
(あぁ)
無茶なことはするものではなかったな。
――例え、憎しみが募ろうとも。
(そうか、俺は……)
まだ、生きていたい。
転がり込むように壁へもたれ掛かった。
そして、これから何をすべきかを整頓する。
(先ず、本城へ向かうべきだ。だが、この格好では無礼であろう。)
ならば、早急に服を見繕うべきだ。
幸い、所持金を奪われたりはしていない。
(運が良いと言えばそれまでだが。)
ことが上手く運びすぎてはないか?
疑心を抱きながら、向こう側の道を見る。
(どういうつもりかは知らないが、なにものであっても邪魔者は排除するだけだ。)
漆黒の瞳が真っ直ぐに道を見据える。
(本城にて、八倉邸襲撃について報告する。そして――)
「けほっ」と咳き込む。
(……報告までが精一杯かもしれないな。)
報告さえも出来るかどうかわからない。
足を踏み出す度に呼吸が浅くなる。
身体が動かなくなる。
(あぁ)
無茶なことはするものではなかったな。
――例え、憎しみが募ろうとも。
(そうか、俺は……)
まだ、生きていたい。

