真紅の目

碧い髪

薄い唇

そして、紫色の髪飾り
「こんばんは。」
月明かりに照らされて、姿が見える。
「きこえてないの?」
女が景之の姿をジロジロと見る。
「うーん。」
少し考えた後に、傍に居た馬を見る。
「貴方はおりこうさんね。」
よしよしと撫でる。
先程まで降り続いた雨は彼女が現れた時にぴたりと止んでいた。
景之の頬に彼女が触れる。
しかし、彼は起きる様子はない。
冷たい体温が伝わるだけだ。
真紅の目がその光景を見据える。
空は夜を告げていた。