散華の麗人

それ以来、天狗の元で風麗は育ち、傭兵になった。
いつも優しくしてくる天狗にいつしか憧れを抱くようになっていた。
門下生とはそこそこ上手くやっていた。
まず、1番身体が大きな男、呉原和人。
彼は小心者であり、風麗は彼をよく脅かしてからかっていた。
体術に長け、本気で怒らせると怖い人物だ。
次に、意地っ張りな少年、甲斐義政
彼は竜華国の大名の1人である、甲斐義隆の跡継ぎで、手習いとしてこの道場に預けられた。
とにかく頑固な男だ。
意地っ張りな風麗とは意見の衝突が絶えなかった。
その反面、馬が合うことも多く、なんだかんだ言って仲がいい。
仲間意識が1番強いこともあり頼りになる。
残る1人である、睦。
その者だけは他の誰とも接したがらず、心を閉ざしているようだった。
だが、慕ってくれているのか、時折近づいてきては何か言いたげにしている。
話に加わり、相槌をうつこともある。
その3人と師範の4人はまるで、本当の家族のようだった。