散華の麗人

二人はやる気充分という表情だ。
「手始めに、基礎から叩き込んでやる。先ずは、まとめてかかって来い。……無論、殺す気でな。脳震盪でくたばらせることが出来たなら、褒美でもやろう。」
木刀に手を添えただけで構えはせずに挑発する。
「その言葉、後悔すんなよ!」
惣右介は猪突猛進に飛び込む。
「威勢が良いというだけ、だな。」
風正は嘲笑を浮かべて僅かに身を逸らした。
「なにっ!?」
惣右介は振り返って体勢を整えた。
「ただ威勢が良いだけでは勝利は遠いぞ。」
そう言うと次の攻撃を躱して襟首を後ろから掴んで投げた。
「うげっ!!」
惣右介は辛うじて受け身を取る。
「ほう。受身くらいは心得てあるか。」
「無論!こう見えても、武を志すものだ!」
「だが甘い。」
もう一度向かってくる惣右介の攻撃を躱して、風正は視界に茶々が居ないことに気が付いた。