てっきり話は何も無いとばかり思ったのだろう。
「あんたは……川中家が細川の敵対関係にあり、和解するときに細川への忠誠の証として連れてこられとったな。」
「はい。」
与吉郎は頭を下げる。
「あんたの名は“川中利光”……もう、戻ってえぇ。川中家と争う理由もなくなったしな。」
一正はそう言って家臣の方を見る。
「せやろ?雄幸。」
「はっ。」
家臣は返事をした。
「父上様……」
与吉郎はこみ上げるものを飲み込んで頷いた。
「あんたは……川中家が細川の敵対関係にあり、和解するときに細川への忠誠の証として連れてこられとったな。」
「はい。」
与吉郎は頭を下げる。
「あんたの名は“川中利光”……もう、戻ってえぇ。川中家と争う理由もなくなったしな。」
一正はそう言って家臣の方を見る。
「せやろ?雄幸。」
「はっ。」
家臣は返事をした。
「父上様……」
与吉郎はこみ上げるものを飲み込んで頷いた。

