景之は何の躊躇いもなく話し始めた。
「八倉家は細川とは違い、側室を認める家系だ。」
「先ず、大村家の女を正室に迎え、第一女を孕ませた。そして、側室には朱雀の血を引く女を迎えた。その女が男を孕んだ最中、正室が一男を生んだ。側室の子は第二男として存在した。」
淀み無く話すことから、話なれた内容なのだろう。
「また、正室が次女を生んだ頃、側室は三女となる女を孕む。その頃だ。」
僅かに目を細めて景之は言う。
「人間の遊女と俺の間に子が出来た。」
それを聞いて風麗が眉を寄せる。
(遊郭に行くように見えないけど。)
余程目を引く容姿なのだろうなと思う。