辻丸は居ても立ってもいられない表情だ。
「それで、雅之はどこじゃ?」
「今は訳あって別行動してる。」
一正は答える。
「あのようなものを生かすとは。余程戦力に飢えてるのだな。」
棘がある言葉で景之は非難する。
「景之。」
「相変わらずの甘さだ。」
睨む一正に景之は言う。
「いいか。細川国王。俺もあれも互いに憎悪し合う関係だ。干渉するは破滅へ向かうだけだ。」
「あいつはあんたの息子やろうが!」
「息子か。いいや。あれは道具だ。」
景之は真意が読めないような無表情さで言い放つ。
「どういう意味だ。」
「貴様も興味があるのか。」
辻丸に景之は淡々と確かめる。