散華の麗人

風麗は去り際に辻丸の方を見た。
「……」
辻丸は眉を寄せる。
「確執は何処でも起こるもの。だが、どうすれば解ってもらえるのだろうな。」
誰に言うでもない問いが聞こえた。
「本当にな。」
風麗もまた、そう思う。
出来ることなら争うことなど、憎み合うことなどしたくない。
母を殺された自分のように
国王に全て奪われた狐子のように
国王への不満を募らせる与吉郎のように
戦争により家族を喪った茶々のように
王や運命を憎みたいわけではないのだ。
それでも、それぞれがそれぞれの道を進んでいる。
この世界で生きる為、自分の心を貫く為に。
解らなくていい。
立場が違えば捉え方が違うのは当たり前だし、解ってもらえるはずはない。
(諦め、か。)
風麗は自嘲する。