散華の麗人

そして、開かれた書物を見る。
「私は貴方の隣に立ちたい。」
「……!」
時雨は驚いた顔で此方を見た。
「陛下は私の恩人です。ですが、私は左腕には相応しくないでしょう。何故なら、貴方のように長い経験がない。だけど、せめて貴方の隣で足りない部分を補いたい。」
「必要ない。」
「完璧な人間はいませんよ。」
「……好きにしろ。」
茶々の言葉に時雨はそう言って政務を再開した。