散華の麗人

身分がばれたのは、追手でも来たのだろう。
その根拠に、奏国の後継は嫌々に政治をしていたという噂がある。
(成る程。状況は解った。)
雅之は考えながら、話を聞く。
「ソンナコト、ドーデモイイケド。」
埜々はケケケと笑って与吉郎を見た。
「ソレデ、国王ヲ殺ス?」
「そ、そのような!」
「ダッテ、前ノ方ガ良カッタンダロ?後継ガ生マレル前ニ、殺シタ方ガ良イゼ?」
埜々は唆す。