散華の麗人

埜々は竜華国出身でありながら親は父が清零国で母は奏国。
竜華国王にとっては異国民に等しかった。

奏国へ清零国が侵略してきたのは、埜々が14歳になる頃だ。
当時、傭兵稼業をしていた埜々は仕える主を探していた。
『僕の所へ来ませんか?』
そんな中、眼鏡で白髪の男が声をかけた。
埜々は彼に仕えた。

彼は清零国の者で、リアンという名前の軍師だった。

埜々は戦場を駆け抜け、奏国の軍への突破口を開いた。
その様は“化物”と呼ばれていた。
楽しむような目と好戦的な仕草がその所以だろう。

奏国は滅んだ。
国王は逃亡したらしかったが、音信不通だ。