雅之はどこか入れそうな場所を探したが、床下しか無いと諦めて潜る。
(埜々。清零国出身とされている傭兵。悪魔と呼ばれているらしい。だが、竜華国の出身とは、どういう意味だ?嘘の情報を掴まされているのか、書物上、そうしなければならない理由が?)
考えながら、意識を会話に集中させた。
「埜々トイウ人は清零国出身トイウコトニナッテルンダ。気ヲツケロヨ。」
埜々はケラケラと馬鹿にするようにした。
「埜々は生まれてまもなく、清零国に引き取られた。」
「何故、そうしなければならないのでござるか?偽装は厳罰の筈。」
「竜華国だとばれれば、竜華国王に目をつけられる。」
柚木が言うと埜々は嗤う。
「ケケケッ……アノ国王ハ、ワタシノコトヲ邪魔ダト思ッテルカラネ。」
埜々は小馬鹿にして嗤った。
「ワタシハ化物。“麗人”ノ主人ダッタ者ノ国ヲ壊シタ。」
埜々は語る。