散華の麗人

そして、目を細めた。
「柚木部隊を此方側に付かせろ。そして、大村部隊、松内を始めとする家老共をこの城へ。」
「本城は如何します?」
「恐らくは、陸羽派が好き放題しているだろう。味方とは見なせない。」
茶々に雅之は言う。
「……まるで、戦でも始めるようですね。」
「場合によれば。」
その返答に一正は立ち上がる。
「ならん!そんなことを」
「座れ。そして、落ち着け。」
雅之は威圧する。
「もし、そうなれば此方は圧倒的に不利だ。松内はともかく、他の家老や小姓とてどう思っているかは予想つかない。それに、家柄や建前においてやむを得なくなることもあるだろう。」
そう言って、雅之は一正を見る。