散華の麗人

そして、静かに言った。
「確かに、前国王の時代は良かった、と評価されていますもの。」
「時代の流れ、そして貴様の器量の問題もあるが。」
雅之は一正を見る。
「それでも、貴様は民が笑う国を創る気でいるのだろう?」
「当然や。」
「ならば、ここが踏ん張りどころだな。」
一正の返答に雅之は満足そうに笑う。