散華の麗人

その沈黙に急く自分がいた。
(もし、あの餓鬼が陸羽派ならば)
恐らく、そのうちに処分することになる。
己の手で殺すのは構わない。
(……他の奴に渡してたまるか。)
そう思い、奥歯を噛み締めた。
「ならば、風麗を連れて行け。」
「俺一人でも」
「仮にも影武者や。」
「……御意。」
雅之は承諾して、踵を返した。