散華の麗人

酷く静かな視線だ。
先程怒鳴ったのが嘘のように静まり返っている。
「俺は死んだ。そして、細川の国王として在るだけだ。仮に、“八倉雅之”という者がそいつに会いたいと願えど、そいつは死んでいる。関係がない話だ。」
「貴方は、生きています。今、此処に。その事実から、目を背けるのですか?」
その問いに雅之の視線がわずかに揺らぐ。
「雅之。」
一正が雅之を見る。