少しして、襖が空いた。
「一言くらい声をかけい。」
「散々、面倒事を押し付けておいて偉そうなことを言うな。」
仏頂面で雅之が入ってきた。
「そんな顔してると、わしやないとバレるで?」
「本音と建前くらい、使い分けることができる。傭兵を見くびるな。」
「……ほんまに出来ているのやら。」
一正は眉を寄せた。