散華の麗人

一正は思い出して眉を寄せた。
「……」
そして、観念したように息を吐いた。
「なんというか、逞しくなったな。恋と戦は人を変えるとは、ほんまや。」
「変わらなければ、大切なものは守れませぬ。」
茶々は真っ直ぐに一正を見た。
「それに、貴方が私を変えたのですよ。」
くす、と笑む。
(私に、生きる理由を与えてくださった。)
そう、目を伏せて考えた。