散華の麗人

風麗は気配に気付いて襖を見る。
「失礼します。」
そう言った声がしたかと思えば、襖が即座に開かれた。
「何や、ぐふぇっ!!?」
一正は振り向いた瞬間に握り飯を無理矢理口に押し込まれた。
「昨晩から何も食べていないと聞き、馳せ参じました。」
きりりと引き締まった表情で少年が言う。